てえてえ
とある二人のてえてえです
ある方のキャラをお借りしています
活気づいた大通りも静まる夜の時間
1軒の大きめの旅館―慈雨
一人の竜族の女将が切り盛りする建物だ
その旅館の主─女将はやきもきしていた
なぜかと聞かれたら見てもらえればわかるだろう
目の前の男女に進展が見られないのだ
片方はこちらを手伝う竜族
もう片方は訳アリの義賊─といったところである
二人はお互いを思いやっているため雰囲気が…いいかんじでないのだ
二人とも似ている─奥手なのも─経歴も─裏に生きてきたというのは同じなのだゆえに似たもの同士は惹かれあうと聞く
こちらはただ願う─
せめて幸せになってくれたらいいもう十分に二人は苦労したのだから
何を今ためらうのだろうか
「はあ…」
ため息が出る─どうにもこの二人は今一つである
いいかげんに雰囲気もあるのに…ならばやるのは聞くだけだ
丁度おちゃをのむ時雨に聞く
「時雨…アンタ…あの子の事…どう思ってんだい?」
するとどうだろうかそれを聞いた時雨は思いきりお茶を吹き出した
むせながら驚いている
「ど、どうって…えっと、ウィークの事?」
その反応からにするに本人たちは無自覚と見た
呆れるレベルである
これにはさすがのレインまでも苦笑している
そしてこれである
「ウィークは大切な友人だよ?それ以外に何かある…?」
ならばなぜ雰囲気が違うのだろうかとツッコミたい
二人が出しているのは和気あいあいとした友達のそれではないのだ
むしろ─パートナーのそれである
これでいて二人は付き合っていないのだから驚きだ
「時雨さんは、ウィークくんと話したりする時にどう思ったりする?」
するとレインが時雨にいう
出た答えは─
「うーん…あ、胸の、こう…深いところがほわほわする?みたいな?…暖かいっていうのかな…」
「ウィークが悲しいと胸がぎゅってなるし…そういうものじゃないの?」
確信だ─気付いていないだけだった
レインがツッコミを入れ、訂正をする
約3秒後…彼女はゆでだこのごとく真っ赤になり驚いた
まぁ無自覚のそれだなんとなくでいたのだから仕方ない気持ちがわかったのなら話は別である
問題は如何にして二人をくっつけさせるかだ
奥手なウィークだから時雨のアプローチしかない
とすれば─できることは2つ
時雨ができる唯一の事は料理と夜這いである
前者は問題ないが後者は時雨のメンタルがかかわる
やる前に時雨が倒れれば本末転倒である
失敗はできない
やるなら今日だ
そうと決まれば話し合いだ
今宵は深まるばかりだった